SFびと 昭和からの来訪者

我が家に溜まったガラクタども

ビッグデータと「宇宙船ビーグル号」と「帝都物語」

最近、「ビッグデータ」という言葉をよく目にする。先日の選挙のときなんかでも、TVの選挙特番でツイッターのつぶやきをビッグデータだとか。よくわからないけど、雰囲気からイメージするものがあるんだけど。

 

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A・E・ヴァン・ヴォクト「宇宙船ビーグル号」

 

科学者だらけの探検隊のなかで唯一の「情報総合学(ネクシャリズム)」の専門家、エリオット・グローヴナーが主人公。なのだけれど、僕にとっては「情報総合学」そのものが主役に思えた。

当時は日経サイエンスを購読しはじめた頃で、分子生物学なんて言葉を知ったばかり。科学があつかう分野の広がり、その細分化はめまいがするほど(内容が理解できないこともあってね)。各分野の間に何かとても重要な、つながりがあったとしても、それを見つけ出すことが人には出来ないのではないか。そんな気がしていた。

そこに「宇宙船ビーグル号」だ。本当に、そんな学問があれば問題解決ではないか。

でも、現実にはどうなのかは知らない。たぶん、そんな学問は無い。けれど「ビッグデータ」だ。統計学の専門家ならばネクシャリストになれる、そんな妄想を、ビッグデータブームに思うのです。

 

 

そして「帝都物語

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映画「帝都物語」に登場した実在の人物、今和次郎という人がいる。今年の芥川賞候補になった、いとうせいこうが演じていたのだが、その姿が非常に印象的だった。

詳しいことは忘れちゃったけど、街を行き交う人々を観察して、分類しながらカウントしているのだが…。メモを取るだけじゃなくて、箱の中の小豆を足の指で移動して数えたりしてる。なんだ、この人は!

 

で、最近のTVで紹介するビッグデータ利用の実例で、店舗内の客の動線を分析とか、年齢や性別による購買履歴とか、街の動線から広告を揚げる場所選びとかを見るんだけど。それ、いとうせいこうが帝都でやってたから、とか思ってしまった。

正確には違うんだけど、なぜか思い出した。

という話です。